チェンマイが位置する北部タイをはじめ、タイ国内ではいろいろ地域で養蜂が行われています。会社組織で取り組んでいる所もあれば、家内制の小さな養蜂家もいます。養蜂の方法は、大まかな部分では同じですが、私たちが関わっている友愛の養蜂場では、他所とは少し違う、品質管理のために気をつけている点がいくつもあります。それらの基準を“YUTEC”と名づけてマニュアル化し、巣箱から作業工程、保存に始まり、製品化に至るまでのそれぞれの段階で規定しています。
日本に到着してからの製品化工程は別として、タイでの養蜂についてだけ言及すると、例えば、まず巣箱が挙げられます。生きているものを扱う上で、やはりその住処である巣箱は、毎日、そして数年に渡って使うものなので、とても重要です。たまに他の養蜂家で、水色や色のはげた巣箱を見かけることがありますが、友愛では白いペンキで巣箱を塗っています。白色は熱を吸収しにくく、巣箱内の温度上昇を抑えます。また巣箱は地面に直接ではなく、鉄製の足の上に置いています。これは、雨や湿気を防ぎ、アリなどの害虫の侵入からミツバチを守るためです。タイでも多くの養蜂家が巣箱に足をつけていますが、中国ではそのまま地面に置いています。
【左】巣箱は白いペンキで塗られ、地面に直接置かずに鉄製の足の上に置く。
【真ん中】前後に開閉式の窓をつけ、巣箱の内の通気性をよくする。
【右】ミツバチが入ったまま巣箱を移動する際は、内部の温度が上がり過ぎないように必ず窓を開ける。
前面の窓を開けると、同時に出入口が閉まるようになっている。
採乳の作業の際、スタッフは白衣に帽子を着用し、ゴム手袋をはめ、衛生面でも細心の注意を払っています。また、採乳したローヤルゼリーの鮮度を保つために、すぐに現場でメッシュの布を使ってろ過をします。ミツロウなどの不純物が混ざったままだと、酸化などの品質低下の原因になってしまうからです。
【左】巣箱に入れられる人口王台は4列までつけられるが、蜜源やミツバチの状態を見ながら判断し3列に調整している。
【右】採乳は、白衣、帽子、マスクを着用し、ゴム手袋をはめて作業を行う。
【左】ろ過をする前のローヤルゼリーには、蜜ロウなどの不純物が混ざっている。
【右】現場では、メッシュの布だけでろ過をする。
ろ過直後は、氷の入ったクーラーボックスで冷やし、1日の作業を終えて作業基地に戻ると、すぐに冷凍庫に移します。このように低温のままで保存、移動することで、採れたままの品質を保っています。そして作業基地の冷凍庫が一杯になるとチェンマイにある大きな冷凍庫に運ばれ、日本への空輸までの間は-18℃で保存されます。この温度で保存すれば、数年間、ローヤルゼリーの品質は変性しないと言われています。
【左】ろ過が済むとすぐに氷の入ったクーラーボックスで保存する。
【右】日本へ輸出する際は、1kgずつケースに入れられ冷凍のまま空輸される。
他にもそれぞれの工程毎に、いくつもの基準があります。これらの細かい基準ですが、当初は現地の人達になかなか徹底してもらえないこともありました。それでも、なぜそこにこだわるのか?その理由を丁寧に説明し、時間をかけて今のような品質管理ができるまでになりました。そこには、現地パートナーの張氏の協力はもちろん、他所にはない、少しでも活性度の高いローヤルゼリーを届けた
いという友愛スタッフの思いが込められています。そして今後も現場をチェックしながら、改善できる点があれば取り組んでいきたいと考えています。YUTECの基準は、これからも改善され続けていくのです。
現地レポート
2016年3月号
PDFをダウンロードできます。
株式会社健康生活グループ友愛
愛知県名古屋市中村区椿町12-15
TEL:052-459-3337
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